サンゴ礁学 Coral Reef Science - English
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計画研究 A01
複合ストレスに対するサンゴ −褐虫藻共生系の応答

<メンバー>
代表
日高道雄 (琉球大学理学部)
磯村尚子 (沖縄工業高等専門学校)
伊藤彰英 (琉球大学教育学部)
酒井一彦 (琉球大学熱帯生物圏研究センター)
中村 崇 (琉球大学理学部)
山城秀之 (沖縄工業高等専門学校)
新里宙也 (沖縄科学技術研究機構)
大慈彌みち子 (琉球大学理工学研究科)
井口 亮 (日本学術振興会特別研究員:琉球大学理学部)
栗原晴子 (琉球大学亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構)

サンゴは多様な生殖様式をもち、褐虫藻と共生し、石灰化によりサンゴ礁を形成するという3つの生物学的な特徴を持っています。
本研究では、サンゴ礁生態系の基盤を形成するサンゴの複合ストレスに対する応答を研究し、サンゴ礁生態系の複合ストレス応答モデルの構築、サンゴ礁の衰退防止のためのより効率的な環境改善指針の策定(計画研究C01計画研究C02)につなげることを目的とします。

サンゴを生態学的に異なるいくつかのカテゴリーに分け、各カテゴリーの代表種について、生殖巣成熟、初期発生、分散と着生、群体の4つの生活史段階に着目し、各段階における複合ストレス応答を明らかにします。
グローバルなストレスとして海水温、光強度、海水pH 、ローカルなストレスとして栄養塩濃度と堆積物(赤土)に着目してストレス応答を調べます。

具体的には、(1)生殖巣成熟、初期発生、着生過程および幼生の生残率、代謝、成長などの生理学的応答を調べる とともに、(2)ストレス下における細胞死や遺伝子発現の解析を行い、白化などの病的状態に至る以前のサンゴのストレス状態の早期診断法の開発、複合ストレス下での遺伝子発現パターンに基づく主要ストレス要因の解明 を目指します。
さらに、(3)ストレス下で形成されたサンゴ骨格のSEMによる微細構造、マイクロCTによる3次元構造の観察、骨格内微量元素や安定同位体比の解析を行い、複合ストレスのサンゴ骨格形成に及ぼす影響を解明する とともに、現在および過去のサンゴ礁のストレス状況の把握(計画研究B01計画研究B02)に貢献します。


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