サンゴ礁学 Coral Reef Science - English
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研究内容: 公募研究 (21〜22年度採択)

21年度〜22年度に採択された公募研究題目(5件)

 
<公募研究1>
研究代表者
神保 充 (北里大学海洋生命科学部)
研究課題名
ストレスで発現が変化する褐虫藻のタンパク質の同定

サンゴがストレスを受けると褐虫藻の色素欠失や褐虫藻の排出などをおこしサンゴが死ぬこともあります。そのため、ストレスにより褐虫藻の受ける影響はサンゴにとって重要です。褐虫藻自体のストレス応答性についての研究例は少ないのですが、 褐虫藻が属す渦鞭毛藻では、環境変化により大きく変化するのは、mRNA 発現ではなくタンパク質発現であると示唆されています。そこで本研究では、褐虫藻のストレスに応答するタンパク質について二次元電気泳動を用いて同定することを目的とします。


<公募研究2>
研究代表者
新里宙也 (沖縄科学技術研究基盤整備機構)
研究課題名
サンゴの熱ストレス応答の分子レベルでの網羅的解析

白化現象は海水温、光、塩分濃度など様々な要因が複雑に絡み合った「複合ストレス」で引き起こされる事が示唆されています。さらに褐虫藻と共生しているサンゴのストレス応答は、より複雑なメカニズムであると予想されます。複合ストレスを理解する為には、まず「単一ストレス」でのサンゴの応答メカニズムを解明する事が重要です。本研究は白化現象の最大の要因であるとされる「海水温の上昇」に注目し、サンゴの熱ストレス応答を分子レベルで明らかにする事を目的とします。


<公募研究3>
研究代表者
中村隆志 (東京工業大学情報理工学研究科)
研究課題名
サンゴ礁群集の造る帯状分布パターンの形成機構の解明と群集遷移モデルの構築

サンゴ礁には様々な生物群集が生息し、それらは海岸とほぼ平行に帯状に分布しています。この帯状分布は、岸から沖にかけての様々な物理・化学的な環境パラメータの勾配によって形成されていると考えられます。本研究では、サンゴ礁群集の帯状分布がどのような物理・化学条件によって形成されるかを明らかにします。この研究により過去から現在にわたる群集の遷移と環境変動との因果関係を明らかにし、サンゴ礁群集の未来像を明らかにします。


<公募研究4>
研究代表者
王 在 (立正大学経済学部)
研究課題名

産業連関分析モデルを活 用したサンゴ ー人間共生系の環境経済学的研究

本研究では、八重山諸島石垣島を対象に産業連関分析を援用することにより現島嶼民がサンゴ礁から獲得している経済的利潤の程度について明らかにします。また、環境経済学の視点から他島・本島・本土との経済的ネットワークを把握します。そのためには、「経済」と「環境」の連接可能性を示す「環境分析用石垣市産業連関表」を開発します。研究過程においては計画研究B02との連携を取りながら、八重山諸島石垣島の現地調査を行うことによって現地の戦後経済の推移を分析します。


<公募研究5>
研究代表者
新城竜一 (琉球大学理学部)
研究課題名
海洋酸性化の評価に関連したサンゴ骨格のホウ素同位体比分析
(海洋pH変動解析)

大気中の二酸化炭素増加に伴う海洋酸性化(海洋pHの低下)は、炭酸塩骨格を形成して成長する造礁サンゴ、およびサンゴ礁生態系にとって脅威です。本公募研究では、グアム島沖の造礁サンゴ骨格のコア試料について、海洋のpHを復元するのに有効なホウ素同位体比を高時間分解能で測定し、北西太平洋熱帯域における過去200年間の海洋環境変動の復元に取り組み、近代の急速な人為的二酸化炭素増加による海洋酸性化の影響を評価します。


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